IRIDeS NEWs | 東北大学 災害科学国際研究所 IRIDeS

2023.1.13

ご挨拶

  東北大学 災害科学国際研究所(IRIDeS) 所長 今村文彦  2011年3月11日に発生した東日本大震災は、圧倒的な広域複合被害と多数かつ長期にわたる深刻な問題をもたらしました。東北大学は、被災地復興への貢献および世界最先端の災害科学の推進を目指し、震災発生から1年余りでIRIDeSを発足させました。以来、IRIDeSは被災地支援を進めるとともに、従来の枠組みを超えた様々な方々との連携によって活発な研究・教育および社会貢献活動を進め、2022年4月、設立10周年を迎えました。  IRIDeSは、設立10年にあたり、これまでの活動をまとめた記念誌を発行し、2022年10月21日には、記念式典・シンポジウムを開催しました。記念行事は、新型コロナウイルス感染症対策としてハイブリッド形式での実施となりましたが、産・官・学・民のご関係者約400名にご参加いただきました。本研究所へこれまでにいただいたご支援に改めて感謝申し上げ、IRIDeSのこれまでの歩みと今後について議論し確認することができました。お忙しい中、記念行事にご参加くださった方々へ、厚く御礼...

2022.12.16

【会議】第4回世界津波博物館会議を開催

   世界各地に、津波など自然災害の記憶や教訓を伝える博物館が設立されています。将来の災害に備えるためには、各博物館が協力し、災害の記録を次世代や他の地域に伝えていくことが重要です。  「世界津波博物館会議」は、災害に関する博物館同士のグローバル連携をはかることを目的として、2017年より継続開催されてきました。2022年12月15日午後、第4回世界津波博物館会議が、国連防災機関(UNDRR)駐日事務所、IRIDeS、日本の外務省により、IRIDeS棟にて共同開催されました(協力:日本博物館協会ICOM日本委員会、ハイブリッド形式)。  「社会のレジリエンスに向けた青少年と津波博物館の役割」を主題に、世界の4か国をつないだ今回の同会議では、武井俊輔外務副大臣、郡和子仙台市長のビデオメッセージに続き、IRIDeSの今村文彦所長が災害伝承に関する基調講演を行いました。また、インドネシア・アチェ津波博物館、ハワイ太平洋津波博物館、釜石市のいのちをつなぐ未来館、震災遺構仙台市立荒浜小学校をはじめとする関係者が集まり、各組織の活動を紹介した上で、若い世代への伝...

2022.11.25

【活動】日本工営レジリエントシティ技術実装共同研究部門が活動中

  地震動による仙台市内の建物の振動シミュレーション  2022年4月、IRIDeSは、「日本工営レジリエントシティ技術実装共同研究部門」を設置しました。日本工営株式会社は1946年創立、現在160か国で社会インフラ整備を行う開発コンサルタント会社です。このたび新たに設置された共同研究部門では、IRIDeSの複数分野の教員と日本工営株式会社からの客員教員が協働し、データサイエンス分野における種々の技術を用いて、データ駆動型かつ高密度・高精度・高速な防災情報をサイバー空間・リアル空間で融合します。また、ここから得られたデータを利用できるデジタルツインモデルを開発し、地震・津波などの自然災害に対し、レジリエントな街づくりを目指します。  2022年7月15日には、日本工営レジリエントシティ技術実装共同研究部門キックオフイベントが開催されました。イベントには日本工営株式会社常務執行役員 松田寛志氏、IRIDeSの今村文彦所長、寺田賢二郎教授をはじめとする双方の関係者が出席し、共同研究部門の関係教員らが、研究構想や、今後さらに発展が期待されるこれまでの研...

2022.10.7

【協力】インドネシア国家防災庁高官の東北被災地視察等に協力

   IRIDeSは、インドネシアで実施中のSATREPSプロジェクト「沿岸でのレジリエント社会構築のための新しい持続性システム」に参画しています(2022~2026年度実施、JICA国際協力機構・JST科学技術振興機構が支援、研究代表者:京都大学 森信人教授)。このたび、同プロジェクトのインドネシア側主要メンバーである、インドネシア国家防災庁リリク・クルニヤワン事務局長をはじめとするインドネシア高官が来日し、日本の防災および東北被災地の現状に理解を深めるにあたり、IRIDeS教員が協力しました。  2022年9月26日、インドネシア国家防災庁高官らは、災害科学国際研究所棟にて、IRIDeSの今村文彦所長・越村俊一教授による津波工学に関する特別講義を受講しました。さらに翌日より3日間、一行は震災遺構仙台市荒浜小学校、気仙沼市東日本大震災遺構、釜石港湾港防波堤ほか宮城県・岩手県の津波被災地を視察しました。この視察においては、同SATREPSプロジェクトに参画する中央大学 有川太郎教授、IRIDeSのサッパシー・ アナワット准教授らが各所で説明を行い、グリーンインフラ...

2022.9.30

【出版】自然災害の仕組みを知って、命を守る 防災を考える本『地球防災ラボ』が販売開始

   2022年9月28日、『地球防災ラボ 実験でしくみを知って、命を守る』の販売が開始されました(東北大学災害科学国際研究所著、岩崎書店発行、3,850円)。これは、自然災害を知り、防災を考えるための本です。地震、台風、津波など日本で身近な災害を取り上げ、クイズや実験を通して自然災害がおこる科学的なしくみを学び、災害に対してできることを知ろう、という構成になっています。この本は、IRIDeSのさまざまな分野の研究者たちが、それぞれの専門知識を持ち寄る形で作られました。 『地球防災ラボ 実験でしくみを知って、命を守る』表紙  この本のベースになったのは、2018~2020年に「朝日小学生新聞」の紙面で、研究者たちがリレー形式で連載した記事です。この連載が、小学生とその保護者、学校の先生などに「わかりやすい」「役に立つ」ととても好評だったことから、このたび一冊にまとめて発行されることになりました。  『地球防災ラボ』で取り上げられている実験は、「ようかんで活断層のしくみを知ろう!」「軽石もどきケーキをつくってみよう!」など、家庭や学校でも実施...

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